一流マーケターの思考術〜ブリコラージュ思考とは?〜

Business, Event2017.6.22

 

6月17日 (土)

第3回『GLOBAL LEADERS』が開催されました。

今回の登壇者は、元 イブサンローラン / ウブロジャパン代表取締役 社長 高倉 豊 氏。

ジバンシイ・シスレー・イブサンローラン・ウブロ・タグホイヤー等、全てのブランドを売り上げUPさせた、「ブランド再生人」と呼ばれる高倉 氏が伝えるブリコラージュ思考とは一体どういったものなのか。

 

 

 

 

(以下、講演内容一部書き下ろし)

 

=高倉 豊 氏 ご経歴=

 

みなさん、こんにちは。

 

高倉です。本日は若いみなさんに僕のこれまでの経験をお話できるということでとても楽しみにしていました。どうぞよろしくお願いします。

 

僕は、学校を出てまず博報堂に入り18年いまして、その内11年ヨーロッパに駐在していました。

 

その頃は終身雇用の時代ですから、「大きな会社にまず入ればあとは安定だ。」と言われていました。そういったでうまくやっていくには何が必要かっていうと、言葉は悪いですが、「上司に対するごますり」いわゆる調整能力でした。

 

一方で、「これもやってみたい。これはこうしたらいいんじゃないか。」と流れに反する意見を言えば、「出る杭は打たれる」という時代でした。

 

私も博報堂に入り適当にうまくやっていれば、程よく上の方の役職について定年退職できたと思うのですが、父が実は小さい会社をやっていて借金を抱え倒産してしまったんです。僕自体は責任を負っていたわけではなかったのですが、借金を少しでも楽にさせてあげたいなと思っていまして、博報堂より良い給料のあるところに転職しようと決めました。

 

たまたまヨーロッパ時代に出会った知り合いがヘットハンティングの会社でヘッドハンターの紹介を受けました。消費財企業がいいと担当者に伝えたところ、ジバンシィを紹介していただきました。ところが当時ジバンシィが求める人材の基準は化粧品業界の経験があるか、小売の経験があるか。

 

「高倉さんはどっちもないでしょ。でもとりあえず会ってみる?」と言われ「会ってみます。」と会うことに。

 

朝8時のブレックファーストミーティングにてジバンシィ担当者と色々お話しをしました。お話の中で、その方がこんな質問をしてきたんです。

 

「君は博報堂っていう広告代理店でこれまで働いてきて、プレステージという感性を持っているか。」

 

私は少しカチンときました。

 

「こういう時にね(面接)、プレステージという感性を持っているか、と聞かれて、持っていませんという人はいませんよ。僕がプレステージの感性を持っているかどうかは、あなたが判断することじゃないんですか!」と怒って帰っちゃったんですよ。

 

ところがこれが功を奏し、ジバンシィに入ったんですよね。

 

あと、当時フランス語を話せることが珍しく、フランス人もフランス語しか話さないというプライドを持っていましたから、「フランス語を話せる日本人はいい人だ」と思ってもらったのも採用の理由だったんだと思います。

 

そんな感じで、ジバンシィに始まり僕のブランド再生人生が始まりました。

 

 

=ブリコラージュ思考を体験!ケーススタディ①=

 

状 況:貴方は東京青山にある美容室の経営者です。 美容業界はオ-バーストアでQBハウスのような安価な理容室の台頭もあり経営はひっ迫。このままではお店は潰れてしまいます。

目 標:売上を上げて店の存続を可能にする。

あなたは、この状況でどう考え、どのような解決策を取りますか?

 


与えられた時間は3分。
参加者の方の回答:

「ターゲットを高齢者に絞って入りやすい空間に。」

「美容院に3時間かかっちゃうのが苦。早く終わるをコンセプトとした美容院。」

「ターゲットを学生。美容室とカフェをコラボ。話せる場を作る。予約の入っていない美容師の空き時間労働にもつながる。」

 

みなさんありがとうございます。短時間で随分多くのアイデアが出ましたね。

 

さあ、これは実際にあった事例です。
オーナーはどうしたか。

 

外国人のお客さん向けの英語が話せるスタッフが働く美容院にしたのです。

 

当時、片言の日本語しか出来ないお客さんと片言の英語しかできない美容師さんとのコミュニケーションでしたから、なかなかうまく伝え、理解することができなかったんですよね。

 

外国から来て日本で働いている人たちの多くは外資系でバリバリ働いている富裕層が多く、またコミュニティーも小さいので、何も広告を打たなくても口コミであっという間に広がって東京中の外国人を取り込むことに成功したんですよね。

 

僕がどうして今回たった3分間という短い時間でみなさんに考えてもらったかというと、人生っていうのは意外にチャンスがないものなんですよ。

 

 
 
 
サッカーでいうと残りあと10分の時に、おい、高倉交代だと言われた時に10分で答えを出せるか。会議でもいきなり「高倉どう思う?」って言われた際に、パッと答えを出せるか。と一緒なんです。「ちょっとウォーミングアップしてからにします」とか「お前でなくていいよ」となるんです。
 
 

 

短時間でいかに自分なりの答えを出せるか、世界で活躍していくには必ず必要になってきます。
 

 

 

 

 

=アイデアを考える時に大切なのは、気づき。

          

「大切なのは違う視点から考える」=

 

アイデアを考える時に大切なのは、気づきです。

 

その気づきっていうのは、常識や一般論にとらわれず考えないと、気づかない。

 

一つ例で挙げさせてもらうと、JINSというメガネが、安くなったのは、とある気づきからなんです。

 

JINSの方が韓国に旅行した時、日本で3万円相当するメガネと同様のものが、韓国では3000円で売りられていた。「なんで日本でできないんだ。」と気づき、安く買えるメガネを販売し成功したんですよ。

 

ある雑貨屋さんで同じメガネを見ても「韓国で3000円でできるのに日本でできないんだろう?」という気づけるかどうか。そういったことが非常に需要なんです。

 

多くの人は、たくさん答えは転がっているけれど気づいていないことが多いですから。

 

=限られた中で結果を出す。ブリコラージュ思考=

 

僕たちの時代は高度成長期でした。僕たちの時代の人って、偉そうなことを言っているけれど大したことをやっていないんです。マーケットが伸びていただけなんですよね。

 

その当時に最も求められたのは、調整能力があることでした。

上の者がいうことを聞いていればいいという、そういう時代ですね。

 

つまり、「腹を決めてこれでいこう!」とやっちゃいけない時代であったんです。
今は残念ながらモノやサービスが溢れかえってますから、あれがなきゃだめだというものがないんです。
誰かが考えた、正しいと言われることをやったら、通りはいいけれど成功すること、差別化することができなくなります。
 

 

そのためにとても重要な考え方が本日お伝えする『ブリコラージュ思考』なんです。

 

ブリコラージュ思考とは、フランス語で応急処置とかあり合わせの材料で解決策を見つけることを言います。

 

そのブリコラージュ思考を象徴する建物がありまして、フランスの村にある『シュバルの理想宮』。
 
 
郵便配達人のシュバルさんが歩いてたらですね、石にけつまづいて転びそうになったんです。その原因となった石を拾うと彼はその奇妙な形に魅了され、家に持ち帰った。翌日同じ場所を通りかかった彼はさらにすてきな石を見つけたので家に持ち帰り、これがきっかけとなって石の収集を趣味とするようになったのです。そして石を集め続け、こ美しい理想宮を完成させたのです。
 
 

 

ここのどこがブリコラージュ思考の象徴かと言いますと、
彼は石という限られた材料の中で素晴らしい理想宮を作ったということです。

決して作るための材料が溢れていたわけではない。限られた条件下で頭を振り絞って、美しい理想宮を作るという目標を遂げたのです。

 

=ブリコラージュ思考をするに大切な3つのこと=

 

まずブリコラージュ思考をするに大切なことが3つあります。

まず一つ目は

①目標を明確に持つことです。
 
「来年売上〇〇にしたい。」といった目標は必ず立てなければなりません。目標のないところに戦略・戦術は生まれてきませんから。
 
 

 

②何としてでもこれをやり遂げるというパッション
 

 

これは精神論になりますが、最後は何としてでもやってやるという気持ちが結果を左右します。
 
 

 

③二つとして同じことはできない。
 

 

ブリコラージュ思考の最も重要なところは、「一回でたら二つとして同じことはできない。」という点にあります。
 

 

ボタンを押すとロジカルシンキングはオートメーションと一緒ですから、同じものがどんどん出てきます。一方ブリコラージュ思考は一回ボタンを押すと次は同じものは出てこない。
 

 

この3つがブリコラージュ思考のポイントです。
 
今までは「人と同じものじゃないとダメだったよね。」という時代でした。
しかし今は「人と違うということが正しい」んです。
 

 

「二度と同じようなことができないんですよ」というのがブリコラージュ思考のすごく重要なところなのです。
 

=頭の転換が必要なのです。=

 

学校時代の受験もそうですが、いろんな方程式や語呂を覚えて丸暗記しましたよね。
 
模範解答を出して良いよいと言われてきましたよね。
 

 

実を言うと社会で出た時に、そんな模範解答は誰も目もくれてくれません。
確かに正しいかもしれないですけど、他の人もその答えは出せる。
 

 

要するにそういう時代では、残念ながら何としてでも、他の人と差別化をして自分たちの会社の限られた資源の中で、条件が違う中で他と違う案を考えるというのが求められるのです。
 

 

そういったことを皆さんには把握してほしいと思っています。
 

 

=ブリコラージュ思考を身につける為にできる一歩=

 

 

 

もちろんロジックを組み立てるのは大切です。

 

しかし応用問題に答える時はロジックはベースにはなるかもしれないけど、それだけでうまくいかないです。
 
 

 

まず「ぜんぶ否定する。逆をやってみる。」
ものを考える時の練習としてですね、新聞やテレビで流行ってるものに食いついていかない。
 
 

 

世の中の流行りに流れるのはコンペティターが溢れるレッドオーシャンに行くものです。
へそ曲がりかもしれないが、「いや違うんじゃないかな。」と違う角度から一旦全て否定して考えてみることです。
 
 

 

私はこれまで限られた条件の元どう答えを出すか、と永遠とやらされてきました。
おかげさまで、今でも売れって言われたら、絶対答えはあると動物的な感で感じます。
 
 

 

その答えは模範解答・正論ではでてきません。
何度も言いますが、まず一回世の中の常識を否定して、考えてみる。
 

皆さんも今日から実践してみてください。

 

 

=高倉 氏 メッセージ=

 

GLOBAL LEADERSに来てくれたあなたへ

 

私は今迄大学生の方々に接する機会は殆どなく、皆さんのお父さんより年配の私のような人の話をどのように聞いてくださるか全く分かりませんでした。

 

しかし、幾つかの練習問題を出させていただきましたが皆さんの真面目な取り組み、そして柔軟な発想に好感を持ちました。

 

人も商品もお金も無かったジバンシィ時代に本社に不満をぶつけたことがあります。

その時ジバンシィの海外担当取締役より「人も商品もお金も潤沢にあればお前に頼まない。お前に課されたミッションは限られた条件の中で結果を出すことだよ。」と言われた一言がそれからの私の職業観を変えました。

 

皆さんも社会に出れば同じミッションが課せられます。

 

「与えられた条件の中で目標を達成しなければならない」ということがブリコラージュ思考をお話しした理由です。

 

ブリコラージュ思考の大事な点の一つは他の人と同じ答えを出さなくても構わないということです。

 

これからの学生生活の中でも、常識を一度取り払って考える訓練もしてください。
そして何がで Only one、そしてNo.1 になれることを探してみて下さい。

 

 

高倉 豊

 

 

 

 

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